「ポーくんとおひさま」


「おーい!こっちだよー!」「おーい!こっちだよー!」

どこからか大きな声がきこえてきました。
ポーくんはあたりをみまわしました。
だけどだれも見当たりません・・・。

「どこだよー?」「きみはだれだよー???」

「わしか?わしはおひさまだ!(笑)」

ポーくんは大きな大きなあおーいお空を見上げてみました。
そこには”大きな口” ”大きな目” ”大きな手”をしたおひさまが手を振っていました!
おひさまが手を振るたびに・・・ポーくんの黄色い帽子が飛んでいきそうになりました!
ポーくんは飛んで行きそうな帽子をおさえながら言いました!

「僕はポーくんだよー!!!」っておひさまに手を振りました!すると帽子は羽がはえたように飛び出していきました!

ポーくんの帽子は、ちょこんとおひさまのおはなの上に落ちました。その帽子をとっておひさまは大きな手でポーくんにかぶせてくれました。
ポーくんはちょっとびっくりです!おひさまがお話してるんだもん・・・。

「なんでお話できるの???」

「いつもポーくんの事お空から見てたんだ!ポーくんとお話したかったんだ!友達になりたかったんだ!ポーくん一緒にあそぼうよー!!!」

「おひさまは、お空にいるからいっしょにあそべないよ・・・」

「遊べるよ!ポーくんがお空にくればいいんだから!!!」

「どうやっていけばいいの?」

「おひさまがいいもの作ってあげるよ!!!」

するとおひさまは大きな手を伸ばして、雲で羽を作ってくれました。
そしてポーくんの小さな小さな背中にその羽をつけてくれました!

「ポーくんちょっとジャンプしてごらん」

「わぁー!すごーい!これでおひさまのいるお空にいけるんだね!」

「さぁ!ポーくんこっちへおいで!」

そう言うとおひさまはポーくんの小さな小さな手をとりお空の世界に連れてきてくれました・・・。
ポーくんはビックリです!お空を飛んでいるんです!おうちも車も公園も小さく小さくなりました。
するとおひさまは言いました。

「ポーくん色んな物が見えるだろ!おひさまはポーくんと一緒に遊びたかったんだ!そぉだ!ポーくんどこに行ってみたい?」

「うーーーん・・・。」

ポーくんはあたりを見回しました・・・。遠くに大きな大きなお風呂が見えました!ポーくんはその遠くに見えるお風呂を指差しておひさまに言いました!

「おひさま!あの、とーーーおくに見えるお風呂に行って見たい!あそこまでいけるの?」

おひさまは大きな大きな目でポーくんの指差している方向を見て言いました。

「よーーし!あそこまで一緒にひっととびだー!!!お風呂まで競争だぞぉ!!!よーーーいド〜ン」

辺りに凄い音が響きわたりました!
ポーくんは一生懸命羽をパタパタさせてお空を飛んでいます!おひさまに負けない位・・・。
どの位飛んだでしょう?後ろの方から何かがポーくんとおひさまを追いかけてきました!!!

「わん!ワン!わん!ワン!」

ポーくんはまたビックリです!ビックリしたと思ったら・・・ポーくん目掛けて「わん!ワン!わん!ワン!」飛びついてきました!そしてポーくんの顔をなめまわしてじゃれはじめました。

「くすぐったいよー!イヒヒヒヒー・・・・。」

ポーくんは恐る恐る目を開けてみると・・・そこには、真っ白くて、大きくて・・・モコモコした2匹の犬がポーくんの顔をペロペロなめていました。

「ごめんよー!この犬達はおひさまの友達なんだよ!二人もポーくんと一緒に遊びたいんだよ!」

「わん!ワン!わん!ワン!」

「一緒にお風呂まで行こうよ!!!」

「わん!ワン!わん!ワン!」

「よーし!じゃーみんなでお風呂まで競争ダー!!!」


ポーくん達はまたお風呂に向かってお空を飛び回りはじめました。犬達はよっぽどポーくんの事が好きなんだね!ポーくんの周りをグルグルまわっています!
お空はどこまでも青くて、まるでプールを泳いでいるみたいです!ポーくんが雲の切れ間から下を見ると・・・お買い物をしているお母さんが見えました!ポーくんはおひさまに負けない位の大きな声で

「おか〜さ〜ん!み〜て〜!!!ポーくんだよ〜!!!こっちだよ〜!!!!お〜そ〜ら〜だ〜よ〜!!!今日の夜ご飯はハンバーグがいいよ〜!!!」 

  「・・・」


ポーくんはまたお空を楽しそうに飛び回りはじめました。すると・・・目の前に大きなお風呂がドーーーン!と現れました!
ポーくんが1番です!2番と3番は犬達!

「やったー!1番だー!」

また犬達に顔をペロペロなめられています。

「お〜ひさま〜!は〜や〜く〜!!!」 「わん!ワン!わん!ワン!」

そして最後に・・・おひさまです。

「ポーくん早いなー!!!おひさまおいつけなかったよ!!!」

ポーくんは嬉しそうに飛び回っていました。

「ポーくん!じゃーおひさまと一緒にお風呂入ろう!」

「うん!」

ポーくんは洋服を脱いでおひさまと一緒にお風呂に入りました!
ポーくんは、おひさまの大きな大きな背中をゴシゴシ!おひさまはポーくんの小さな小さな背中をゴシゴシと体をあらいっこしてお風呂につかりました。
おひさまがゆぶねにつかると、お湯がザブーン!とあふれでました。

「おひさまはポーくんのパパみたいだ!」

「ハハハハハハー!おひさまはポーくんのお父さんみたいか・・・。ハハハハハー!どうしてだい?」

「だって背中も手もぜーんぶ大きいし!お風呂に入るとお湯があふれちゃうし、ハハハハハーって笑うから〜!」

「そうかぁ!ハハハハハー!」

するとおひさまの大きな顔も大きな手もぜーんぶ、だんだんオレンジ色になってきました。

「ポーくん、そろそろおうちに帰らないといけないんだ・・・。ポーくんもお母さんが夜ご飯を作ってる頃だよ!よーし!10まで数えたら出ようか?いくよ!!!」

「いーち!にーい!さーん!よーん・・・ごーお・・・ろーく・・・・なーな・・・・・はーち・・・・きゅーーーう・・・・・・じゅー・・・・・」


「ポーくんご〜は〜ん〜よ〜!」

お母さんの声に目を覚ますと・・・。そこはおうちのお風呂でした・・・。

「ハハハハー!ポーくん眠っちゃったのかー」

そう言うとお父さんはポーくんの頭を大きな手でなでました。
ポーくんは急いでお風呂を飛び出て窓を開けると・・・お外は真っ暗でおひさまはもういませんでした・・・・。
ポーくんは大きな声で言いました!

「お〜ひ〜さ〜ま〜まーたあそぼーねー!!!」

ポーくんの声が聞こえたのか・・・と〜おくのお空に流れ星が1つ見えました・・・。
そしてポーくんの背中には小さな泡がふたーつついていました・・・。

そして台所から・・・

「早くパジャマ着ないと風邪ひいちゃうよ!」って言うお母さんの声とハンバーグのいい匂いがしてきました。

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